初恋☆夜空
今度は、私の目がまるくなる番だった。

「‥?何?どしたの」

私が考え込んじゃったからかな?サオリは心配そうに聞いてきた。

その時、授業終了のチャイムがなった。

先生が教室を出ていくと、とたんに教室は騒がしくなる。
教科書とノートを机でトンッと揃えると、同時に、サオリがお弁当の入った包みをコトン、と置いた。

「昼休みだよ!‥屋上でも、行こっか?」

そう言って、パッチリした二重の瞳を片方だけ閉じた。



まだ寒い時期だからか、屋上にいる人はまばらだった。

「寒いかな~?‥でも、あんまり人、いない方がいいと思って‥」

サオリは、見かけによらず気遣い屋だ。
美人で、派手な外見だけど‥、すごく友達想いで、優しい。

屋上の端に設置されてる、園芸部のビニールハウスの横に二人で座って、お弁当を広げた。

「‥で?あんたのその様子から、絶対恋だと思ったんだけど?」

話すって分かってても、ドキッとするものなんだな‥危うく飲みかけたイチゴミルクを吹いちゃうところだった‥。
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