私はヤクザ

ついに・・・




『ちょっと!!佐山さん。今いい??』

ある日私は学校の廊下を七海と歩いていると、後ろから声を掛けられた。

入学式の日に私の席に座っていた高沢千尋(たかざわ ちひろ)とその仲間の
三河サチ(みかわ さち)と高倉花実(たかくら はなみ)だった。


この3人がそろうって事はきっと・・・。

・・・。いや。絶対。智の事に違いない。
この3人は智の事が好きらしいから。

「別に大丈夫だけど・・・。
ごめん七海。先に教室行っててくれる??」


『いいけど。大丈夫??』

「平気。」

私は体育館倉庫の裏に連れてかれた。

はぁ~・・・。体育館裏って・・・。完璧にいじめられるパターンじゃん・・・。

『わたしの智に近寄らないで!!!』とか言うんだろうなぁ・・・。

なんて一人で考えていると・・・。

『最近さ。佐山さん智と仲良すぎない?智は私達の智なんだから!!!』

はぁ。やっぱり・・・。

私は負けずと言い返す。

「私が誰と仲良くしようとあなた達には関係ないでしょ??
それに智は誰の智でもないと思うけど。」

『生意気なこと言ってんじゃねーよ!!!』

そんな事を言いながら私を突き飛ばしたのは高倉さん。

「いっ・・・たぁ・・・。」

『智に近寄るからよ!!』

どうやら高倉さんがリーダーらしい。

さっきから高倉さん以外は口を開かないから・・・。

まぁ。突き飛ばされると、さすがの私もキレるでしょ・・・。
でも私は手は出さない。・・・。女には・・・。ね!!

「ちっちぇ~女だね!!高倉さんって。」

『何だと!!!!』

「手出すとかありえないし!!そんなに智が好きなら正々堂々と真正面からぶつかってきなさいよ!!!こんな人目につかない体育館倉庫裏に連れてこなくても!!!」

『いい気になってんじゃねーよ!!!』

その瞬間・・・。

ーーーーパっーンーーーー
私の右頬に痛みが走った。

一瞬頭が真っ白になったけど・・・。すぐ理解出来た。

私は高倉さんに殴られた。

そのとき・・・


『何やってる!!!』

声のするほうに目をやると・・・。そこには。

息を切らした智がいた。



< 21 / 86 >

この作品をシェア

pagetop