私はヤクザ
「私の家は・・・。佐山組って言うヤクザの組なの。
私はそこの組長。・・・・。」
『・・・嘘だろ??』
智の顔は信じられないって顔をしていた。
「引いた??本当なんだ。
この前、松川組って言う組が私の家の佐山組の組員を襲ってきたの・・・。
松川組はいつか私を本気で殺しに来る。」
『なんで、その松川組ってやつは椿のことを殺すんだ??
なんでそんなに恨まれてるんだ??』
「5年前ヤクザ界のトップは松川組だった。でもその地位を私達佐山組みがとった。
もちろん戦ってウチの組が勝ったからだよ!!そんなのヤクザ界の世界では良くある話。でも松川組は前から佐山を嫌ってたから。」
『だからって・・・。何でお前が殺されるんだよ!!』
「私が女だから。私が組長だから。
私が・・・。この地域の人を守らないといけないから!!」
『でも!!!』
「だから・・・。私といたら智まで危険な目に合う。
・・・。好きだけど・・・。大好きだけど・・・。
私は智を失いたくないから。」
『俺は・・・。俺は・・・。ヤクザの椿でも好きだから・・・。
俺はこう見えても強いんだぞ!!だから椿の近くで椿と一緒に戦わせてくれないか??』
「智はずるい・・・。そんな言い方されたら断れないじゃん・・・。」
私が泣きながら智に言うと・・・。
目の前が真っ暗になった。
気付いた時には・・・。智に抱きしめられていた。
「さと・・・し・・??」
『やっと・・・。やっとお前に気持ち伝えられた・・・。』
「智・・・。一つだけお願いしていい??
私が危ないと思ったら・・・。そのときは・・・。
私から離れて。」
『お前だけを危険な目に合わせられるか!!』
「その気持ちだけで十分だよ!!
これは、七海にも言ってある・・・。
私に何かあったら・・・って事も・・・。」
『俺は何があっても椿から離れない。
絶対に離さない・・・。』
「智が死ぬかもしれないんだよ!!!
そんなの私・・・。」
『椿が死んだら俺・・・。生きていけないから。』
私はこの時初めて男の人の前で大きな声をだして泣いた。
まるで赤ちゃんがお母さんを呼ぶかのように・・・。