私はヤクザ
固い決意を胸に私は智の家についた。
ーーーーピンポーンーーーー
「はーい」
スリッパのパタパタっていう足音が聞こえてきた。
その音でさえこれが最後になると思うと今にも涙があふれだしそうだ。
「あら。椿ちゃん!智に用事??智今少し出てて・・・。」
『そうですか・・・。智君に話す前にお母さんに伺いたいことがあります。』
「とりあえず入って??」
いつもと変わらないお母さんの笑顔がとてもうれしかった。
「何??聞きたいことって。」
『こんなことお母さんに聞くことではないとわかってます。でも・・・。
お母さんは知ってましたか??サクラちゃんへの智の想い・・・。』
お母さんは眠っているサクラちゃんに視線を向けながら静かに話始めた。
「ええ。知ってたわ・・・。私も主人もね・・・。でも・・・。美桜さんを亡くして笑わなくなったあの子に笑顔を取り戻してくれたのはサクラだった。
だから・・・。今まで知らないふりをしていた。
でも智自身も私たちが気付いていることを知ってるわ。」
『そうですか。でしたら・・・。これから私が智くんに話すことをお母さんにもお父さんにも聞いてほしい。』
「・・・。どんな話か分からないけど聞くわ。今日は主人ももう帰ってくるから・・・。待っててくれる?」
『はい・・・。すみません。』
そう言ってる間に智とお父さんが一緒に帰ってきた。
「「ただいま。」」
「お帰りなさい!」
『お邪魔してます。』
智父「おや。椿さんいらっしゃい。」
智「椿??どうした??」
『皆さんに話があって。』
智父「どうしたんだ??」
みんなが座ったのを確認してサクラちゃんが眠っているのを確認すると私は智に視線を向けて・・・。
『智・・・・。別れよ・・・。』
精一杯の笑顔で伝えた。