私はヤクザ



『智・・・。わかって・・・。それは無理なの・・・。
大丈夫・・・。智はサクラちゃんとお母さんとお父さんを守ればいいの・・・。
智の命は私が守る・・・。
サクラちゃんの命もお母さんやお父さんの命も・・・。』

「お前の命はだれが守るんだよ!!俺しかいないだろ!!!!」

『私決めたから・・・。だから別れて・・・。』

「・・・。俺がサクラに美桜の面影を重ねていたことは認める・・・。
でも・・・。椿・・・。そんなサクラを憎くないのか・・・??」

『憎いはずがない・・・。愛する人の愛する人だから・・・。
これ・・・。見て??』

私は誠也に見せたように智たち家族の前でも背中を見せた。

「これ・・・は・・・。」
今まで言葉を発さなかったお父さんが驚いたように言った。

『私がサクラちゃんを守る証です。
桜の花びらが散らないように私が龍となって守ります。』

「椿ちゃん・・・。あなた・・・。女性なのよ??
なのにサクラのために刺青なんて!!」

『これが私の決意なんです・・・。
私は命に代えても皆さんを守ります。
それが私の宿命だと思ってます・・・。


智・・・。今までありがとう。心から愛してくれてありがとう。
私も智のこと愛してたよ・・・・??


・・・・・さようなら・・・』


私は家を飛び出した。
これ以上あそこにいたらきっと涙があふれ出してしまいそうだったから。
智に抱きついてしまいそうだったから・・・。


私は智の家の外にあるポストにそっと・・・。
手紙を入れた・・・。

愛する智への最初で最後の手紙を・・・。


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