私はヤクザ



今までずっと口を閉ざしてきた相模が

「あなたはいつもそうですね。」


『・・・え・・・?』


「周りに頼ろうとしない
どうしてすべて自分で抱え込もうとするのですか?
どうしてもっと自分の気持ちを表に出さないのですか?
もう少し・・・。肩の力を抜いてもいいのでは・・・?」


『私みんなに頼ってるよ。
頼りすぎなくらい。甘えてる。』


「あなたが思ってる以上にみんなはあなたに頼ってほしい。
頼ってもらわなければ私たち組員がいる意味無いではないですか。」


『違う。私はみんなの存在自体が私を支えてくれてると思ってる。
みんなの笑顔。「おかえりなせぇー」って言う変な日本語・・・。
みんなとこの家で過ごせることが私の幸せ。
だから頼られないならいる意味無いなんて言わないで・・・?』


「組長・・・。」


「椿・・・。
本当に智くんに言わなくて後悔しない???」


『・・・・。するかもしれない。
でもそれでももう智の苦しんでる顔見たくないの。
智には笑っててほしいから。
・・・・。私はこの手紙があれば大丈夫。』


「椿・・・・。わかった。」


『ごめんね。七海・・・。
ありがとう・・・。』


私はそう言うと部屋に帰っていった。

部屋で一人になると自然と涙があふれて止まらない。


私は膨らみ始めたお腹にそっと手を当てながら

呟いた。



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