桜の木の前で
呆然としながらも刹那は私をしっかりと受止める。

「刹那っ!」

「瑠璃、おぬし・・・」

「私、桜乙女の能力が完全に目覚めたのよ」

涙をこぼしながら刹那を見つめると、優しく指でぬぐってくれる。

「本当におぬしは無茶をしおるのう。」

「それは刹那もよっ!死んじゃうかとおもった・・・」

次から次へと涙が溢れてくる。

そんな様子をみて刹那は苦笑いを受けべる。

「すまぬのう。瑠璃に不安な思いをさせてしまっとじゃな。だがな。瑠璃?」

「ん?」

「わしはどこも行かぬよ。ずっとおぬしの傍にいる。」

そういって優しく微笑んだ後、そっとキスをした。

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