桜の木の前で
光の道をゆっくりと歩む。

すると髪が腰まで長く、美しい少女が現れた。

「待って。」

「あなたは誰?」

瑠璃は不思議そうに尋ねる。

「私は時を司る巫女。名前は凛よ。」

「凛?」

「ええ。あなたは過去を変えたわね?」

「・・・ええ。」

「過去を変えてしまったのならば、あなたは代償を払わなければならないわ。」

「代償?」

「ええ。本来あそこで真珠は死に、巍然はこの街を統べる予定だった。しかし、巍然は封印され、真珠は生きていた。」

「じゃが過去を変えたのは瑠璃一人だけではない」

「そうです。私も巍然を倒す手助けをいたしました。」

「だからわしらも代償を払うべきではないのか?」

しかし凛は首を横に振る。
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