桜の木の前で
「彼女の力を覚醒へと導いたのは私です。だから私も代償を支払うべきですよね?」

にこりと微笑む。

「桜・・・百合さん・・・・」

泣かないと思っていたけど、みんなの優しさで涙があふれる。

「っご、ごめんな、なさい・・・私のわがままのせいで・・・そしてみんなありがとお・・・・」

涙は後から後から伝ってくる。


そんな私をみんなが優しく見守ってくれる。

「はあ・・・私なんか悪者みたいじゃない・・・」

凛は少し不貞腐れたようにいう。

「こんなにみんなに愛されている桜乙女か・・・・あなたなら未来さえ変えられるかもしれないわね・・・」

「え?」

「いいわ。代償はあなたの涙で。」

そういうと凛はそっと私の涙に触れる。

「あなたの涙は貴重だから。」

「貴重?」

「さあ、帰りなさい。あなたたちの”今”へと」

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