桜の木の前で
「ふう・・・」

私は狐の世界の桜の木によりかかっていた。

「瑠璃。おぬしなぜこんなところにいるのじゃ?」

「あっ、刹那。少し夜風にあたろうかなって。刹那は?」

「おぬしがいなかったから探しに来たのじゃ。」

「ふふっそっかあ・・・」

「どうしたんじゃ?急に笑い出して。」

「刹那が心配してくれたのがうれしくて・・・そして私やっと帰ってきたんだなあって改めて思ったの。」

そういって微笑むときゅうに刹那に腕をつかまれ引っ張られる。

「きゃっ!」

私は刹那に抱きしめられた。

「せ、刹那?」

「瑠璃がいなくなったとき本当に心配したんじゃぞ?」

弱弱しく告げる刹那。

「ごめんね?」

私はそういうとそっと刹那を抱きしめた。
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