桜の木の前で
「夜にこんなところきたら危ないわよ?」

声を掛けられて振る向くとそこには綺麗な女の人が居た。
清楚な白い着物をきた綺麗な人だった。

「えっと・・・。」

私は返事に困ってしまう。

「あなたは桜乙女なんでしょう?」

「えっ?」

「ふふっ。どうして知っているかって?」

私が考えていた事をすんなり言い当てる。

「あの、あなたは・・・。」

「ああ。私はね、夢。森の精霊よ。」

「森の、精霊・・・。」

「ええ。人間がこちらの世界に迷い込んだ時もとの世界に連れ戻すのが主に私の役目なのよ。」

「え!?」

ここは人間界ではないの?

「ええ。そうよ。ここはアヤカシの世界。」

またも夢さんは私の考えていた事を読み取り疑問に答えてくれる。

「アヤカシの、世界。」

「そうよ。あなたのその霊力は時に魔を呼び寄せるわ。」

「私の力が?」

「ええ。あなたの力はまさに桜のようなのよ。」

「桜の、ような力?」

どういうこと?


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