桜の木の前で
「あなた瑠璃ちゃんと私を比較したでしょう?」

「ああ。」

「それは瑠璃ちゃんに失礼よ。彼女は彼女なりに考えているのよ。わかってあげて?」

「・・・・」

ああ、わしは無意識に瑠璃に百合のような強さを求めていたのだろうか?
恋とは恐ろしいものじゃな。
瑠璃に、悪いことをしてしまったのう。

「瑠璃ちゃんがさらわれたわ。」

「なに!?」

「今は鬼の世界にいるわ。」

「鬼の世界・・・・。あやつか!」

あそこは時空が歪んでいて簡単には入れない。

どうすれば・・・・

「夢の道がもうすぐ開くわ。」

「夢の道?」
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