桜の木の前で
「おぬしは誰じゃ?」

「私は桜。」

呟くとゆっくりとわしの前に舞い降りる。

「桜?」

「ええ。あなたを昔から見守っているわ。」

「昔から?」

すると桜は可愛らしげにこくんと頷く。

「私はこの桜の木の精よ。」

「おぬしがか?」

「ええ。」

「でわ何故おぬしはわしを見守っているのじゃ?」

「それは内緒よ。」

いたづらっぽく微笑む。」
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