桜の木の前で
「瑠璃はやっぱり優しいのね。」

桜がゆっくりと華を拾いながら呟く。

「ああ。そうじゃな。」

「どうするの?」

「そんなの決まっておる。瑠璃を助けに行く。」

「どうやって?」

「一度狐の世界に戻る。そこで作戦を考える。」

「だけど瑠璃は真珠さんとやらの願いを思いを叶えるために残ったのよ?」

「ああ、そうじゃな。しかし瑠璃一人では心細かろう。瑠璃がやりたいことをわしが傍で支えてやりたいんじゃよ。」

そういうと桜は穏やかに微笑む。

「ああ。刹那変わったわね。」

「わしは変わったか?」

「ええ。」
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