桜の木の前で
「じゃあたとえ私が生まれ変わりだとしてもそれは真珠さん自身ではないわ。同じ人は絶対にいないのよ!真珠さんには真珠さんの人生があるように、私には私の人生があるの。本当は気付いているんでしょ?」

何故か涙がこぼれる。

苦しい。
切ない。

ああ、きっと泉里の感情が伝わって来るのね。

「俺は認めない。君は絶対真珠なんだよ。さあ。今夜は遅いからお休み。」

そういうと静かに泉里は私に背中を向けた。

「私はあなたの心の傷を癒したい!だから諦めないわ。真珠さんの気持ちを無駄になんかしないわ!」

そういって私は部屋へ走る。

「真珠の気持?」

泉里は黙って瑠璃の背中を見送った。
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