桜の木の前で
「んっ・・・・・。」

ここ、何処?

目を覚ますとお屋敷の中に居た。

私、無事に過去に来れたみたいね。

そう想いあたりを見渡すと部屋から灯りがもれていた。

私はそっと寄って見る。

「明日、泉里様を討伐いたしましょう巍然(ぎぜん)様。」

「ああ、そうだな。泉里は力が強すぎる。」

中から聴こえてきた声に私は体を強張らせる。

泉里を討伐する?

「しかし弟君を討伐いたされる巍然様はお辛いでしょうに。」

「いいや、仕方が無いさ。」

そういうと巍然という人は笑った。

何故笑っているの?

私は少し怒りを覚えた。
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