桜の木の前で
「はは、そんな怖がらなくても。」

「お願いです偽善さん、和泉を殺さないで!」

「いいや、だめだ」

「何故?」

「あいつは力が強いから。」

「だからって殺すなんておかしいわ!」

「ふふ、はっきり者を言う娘は嫌いじゃないよ」

「言わなければ伝わらないもの」

「そうか。じゃあ俺に勝てたらいいよ。」

そういって巍然さんは攻撃をして来る。

私はそれを結界で防ぐ。

「へえ。君、強いね。」

笑いながらさらに攻撃をしかけてくる。

私は踊りで使った舞扇を広げる。

そして攻撃を花びらに変えてみせる。

桜乙女の特殊能力の一つ。

刹那に教わった技だ。

「華に技を変えるなんて、君桜乙女だね?」

「ええ。」

「そうか」

にこりと微笑む巍然さん。

「じゃあ殺さないで捕らえようかな?」

「え?」
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