シフォンケーキ
4 メレンゲを泡立てます
完成したシュークリームでにわかティーパーティーが催された。
プレゼントとして綾人に渡すつもりだったのだが、作っているところを見られたので仕方のない成り行きだ。
綾人は今日に限って、他のバイトのヤツにシフトの交代を頼まれて帰ってきたらしいのだが、
どんな運命だ。
ブツブツ文句を言う俺は近所のスーパーで紅茶を選んでいたりする。
家でシュークリームを食っているはずなのに・・・。
うっかりと紅茶を切らせていたため、俺が買いだしに出されたのだ。
客の安藤に買いにいかせるわけにはいかないが、何で俺だよ。
コーヒーならあったのに。
安藤はコーヒーでも構わない、といってくれたのに。
『シュークリームにはやっぱ紅茶じゃなくっちゃね』
ですとな?
だったらオマエが買いにいけ綾人!
綾人の言い分に何気に、
ああ、シュークリームにはやっぱ紅茶だよな。
と思い、
『じゃ、買ってきてぇ』
という命令に、ったく。と舌打ちしながらも出てきた俺って、一体。
綾人に命令されるのが体に染み付いちゃってるんじゃねぇか~・・・。