シフォンケーキ

安藤を見れば、極度の上がり症が卒業証書授与式で、賞状を受け渡されているみたいにケーキを捧げ持ったまま赤い顔を俯けてガッチガチに固まっている。



「・・・はぁ。それは今更言われなくても分かってるケド。」

「えっ!!あ、そ、そうっ。そうだよね。・・・でででも、ちゃんと言ったことなかったから。最後だから。ちゃんと言いたくて・・・・」

「・・・・だったら、綾人に面と向かっていった方がいいんじゃないか。」




綾人の代役なんて頼まれても困るぞ、俺は。

安藤が顔を上げ、きょとんとした瞳で俺を見詰める。





「なんで・・・・・そこで綾人クン?」

「は?」




なんでって・・・・。
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