純恋
俺は黙ってブランコを彼女に譲った。


キィ・・・・


「岡田クンもこのブランコ好きなの??」


彼女が俺を見上げた・・・


「・・・・別に・・・・」

「そっかぁ・・・あたしが公園に来ると、岡田クンが公園の入口でブランコの方を熱心に見てるのを何回か見たことあるから好きなのかと思ってた!!」


ドキッ!!
・・・俺が見てたのを気付いていたのか!?


彼女は勢いよくブランコを漕ぎ出した。


キィ・・・・キィ・・・・


「あたしは大好き!!こうしてるとなんかスカッとするんだよね〜」

そう言って彼女はスピードにのって
とても気持ちよさげに空を見ている。


風になびく髪を俺は見つめていた。


空を見ていた彼女が突然俺を見た・・・


「なんか嬉しいな。岡田クンと話し出来るなんてっ!だって女の子の憧れの人なんだよぉ〜〜頭も良くて運動も出来て背も高くてかっこよくて・・・無口なところがまた更にクールでたまんない!!そんな人とあたし一緒にいるんだもん!!」


彼女はニコニコ笑いながら俺を見る。


彼女と視線がぶつかり慌てて目を逸らした・・・

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