主人の夢には
「先生。少しこれを見て頂けませんか?」

話しかけているのはこのゼミの唯一の学生。とても熱心なのはいいが………という感じの人物である。

「ほう。よく練られた案だ…と言いたいところだが、この部分はどうなっているのかね?根拠も理論も、辿り着く為には提示が不十分だと思うが。」

「ここはああでこうで、――。これはここからきて、あれは――。」

「ふむ。では何故それを書かないのだ?」

「…!そうか!先生、有難うございます。」
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