主人の夢には
そして、教授は言いにくそうに口を開いた。

「ところで、私はしばらく学会に行かなくてはならない。今回は留守番で、ここの管理を任せたいが、いいかね?」

「………。分かりました。行きたいのは山々ですが、今ここに誰も居ない時間を長く作るのは賢いとは言えませんからね。先生、先生がお書きになられている論文は置いて行くのでしょう?」

案外軽い学生の返事。これを聞いて、教授は安心したように言った。

「あぁ、そのつもりだ。くれぐれも機密であることを忘れないように。」

「分かっていますよ、先生。」


こうして次の日から数日間、教授は学会に行くことになった。
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