【短編】らぶれたー
待ち合わせ場所に行くと、
もう笠岡くんはそこにいた。



「寒いのに、ごめんね…」

白い息を吐きながら、
私が言う。


笠岡くんは
「いいよ、ほんとに」
笑いかけてくれる。




電話じゃない、生の声。

会って話さないと見れない、
この笑顔。








だから私は
手紙で伝えるより、
言葉のほうがいいと思ったんだ。








息を思いっきり吸い込み、
深呼吸して
心を落ち着ける。







大丈夫。

言えるよ。

…伝えよう。
< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop