占い師の恋【完】
それでも杉山さんには私が聞きたいことは分かっていたようで。悪戯に笑って喋る。
「茉希ちゃんはどう思うの?」
――…この目…、嫌いだ。
杉山さんは私より10センチほど高い位置から見下ろす。
何か、馬鹿にされてるのとは違うんだけど。人を品定めするような…、それは外見とかじゃなくて私の心の中なんだけど。
つまりは表情の少しの変化を。
「別に、嘘とは思いません…けど。」
「゙けど゙?」
「その゙偽物の笑顔゙には腹が立ちます。」
時々見せる、あの笑顔がね。
私がピシャリと言い放つと、杉山さんは少し驚いたように目を見開いて次の瞬間には笑い声を上げた。
「あははは!やっぱ、茉希ちゃんだよね。」
なんて意味が分からない言葉を紡ぎながら、お腹を抱えて笑う。
こんなに笑われると、あの男を思い出すなー…死(おっと、禁句がつい。)
「はー、でも本当だよ。俺と青は実の兄弟。
まあ、嘘もあるんだけどね?」
「…、(さっさと言えや。)」
怪訝な顔をして上目遣いで睨み上ると、杉山さんは再び吹き出した。
一発殴ってもいいですか?