占い師の恋【完】
拳を顔の横で握って震わせる私に少し慌てたように謝った杉山さん。
ちょっと口元がにやけてんだよ。
まあそこは寛大な私の心で大目に見てやるとして。
「うん。青が俺のこと知らないだの薄々気づいてるだのとかいうアレ。」
「…。」
「普通に知ってる。てか会ってるしね。」
「(うわあ、うざ。)」
にこにこと嬉しそうに楽しそうに話す杉山さんに正直げんなり。
何でそんな嘘をつくのか…。とてつもなくうざいんですけど。殴りたいんですけど。
深い溜め息を吐いた私に、杉山さんは実際思ってもないだろうと思うほど本当に軽く謝って
「だって、青が手出すなとか珍しいこと言ってるから。
そう言われたらからかいたくなるじゃん。」
「マジうざい。何なんですか、一体。そのサングラスキモい。」
「え、茉希ちゃん。
俺ちょっと傷ついたよ。」
真顔で交わしていた会話だったが、最終的に杉山さんが傷ついた顔をして終わる。
先輩に対して無礼なのは分かっているけど、まあいいだろうどうせ杉山さんだし。