占い師の恋【完】
真っすぐに私を見つめて問う杉山さんを私も真っすぐに見つめ直すと
「…一つ目は電話の最後ら辺から。杉山さんの笑い方、青に似せてたから。」
「ん?」
「杉山さんは、青の笑い方はしない。今まで聞いたことがない。」
自分の顔の横でピースの手を作り
「二つ目は、目。」
「目?」
私はこくりと頷くとピースを作っていた手を1に変えて杉山さんの目を指差した。
「あなたは周りを見るけど個人を見ない。
つまりは見下さないんです。ただの私の勘でしかないんですけどね。」
「…意味が分からん。」
「まあ、簡単に言えば周りを見るというのは外見です。個人というのは心。
あなたは簡単には人の心を覗き込もうとしないでしょ。」
゙覗いて相手を知りすぎてしまうのが嫌だから。゙
最後にそうぽつり。
吃驚したように再び目を見開いた杉山さんは、ハッと片手で顔を覆い笑う。
「凄いね、やっぱ人をよむ占い師には適わないや。」
そしてとても楽しそうに微笑んだ。
私を再び見た杉山さんはこちらに手のひらを見せてひらひらと振る。
「こーさん。俺には君は覗けない。」
「…。」
「覗いたら、後が恐いし?
ごめんね、騙すようなことして。」