占い師の恋【完】




「へえ。これ棗の店のだったのか。」

「うん!プレゼントしたんだあ。」


私の左手首を持ち上げて、しかも引っ張ってきた風見さん。

何か腕捻られてる!本気で痛いんですけど!?何なんだこの男は!!

取りあえず、私の体を回して捻りを戻す。


予感はしたよ。
どうせこの後は…、


「痛いんですけど。」

「あ?茉希が痛くないように近づけばいいだろ。」

「嫌ですようざいですし。」

「おい、最後おかしいだろ。」

「あはは。」

「何故笑った。殴られてえか。」

「うっわー。そのまま恐喝事件起こして捕まればいいのに。」

にっこりと笑った風見さんは私の腕を離すと、こめかみに拳を当ててぐりぐり。

しかも昨日より中指めり込んでるから!この男、有り得ねぇ。

「いっだだだだ…!」

「まずは謝ろうな。」

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。」

「ふん。馬鹿め。」

鼻で笑われて離れたこめかみへの風見さんの制裁。ちょっと涙目になるくらい地味に痛い。

キッと睨みつけると、


「…、くたばれ暴力男。」


その後、首根っこを捕まえられて本当に殴られた。
可愛らしいなんてもんじゃない。結構の力で拳を頭上から落としやがったのだから。


絶対仕返ししてやる…。



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