占い師の恋【完】
「絶対、仕返ししてやる…!」
お客さん表を握りしめ(グシャリという物騒な音は気にせずに)勢いよく腰を上げると。馬鹿は眉を下げ怖がるフリをする。
そのままドアまで歩いて、くるりと振り返り――…
「くたばれ40代老け顔!腹メタボ!」
バンっと音をたてて閉まるドアの向こう側。店長が鏡の前でヘコんでいたのは言うまでもない。
ふん!と鼻から息を吐き出した私は仕方ないと溜息混じりに呟いた。
……さて、仕事が始まる。