占い師の恋【完】




――本日二度目となる鈍い痛みが落とされた。

この人、女の子に向かって手上げるなんて男の風上にもおけないんじゃないか。


風見さんはさも同然のように。飄々として俺様気取ってる所がさらに苛々する。

お前、喧嘩売りに来たのか!
ちょくちょくどころじゃなく会話する度に喧嘩腰の風見さんは少々面倒くさい。


「はあ…。」

小さく溜め息を吐き捨てると

「お前今゙こいつだるいな゙って思っただろ!」

即座に絡みを入れてくる面倒くさい男。


「もう何でもいいです。あなた何しに来たんですか。」

「そりゃあ、お前をからかいに…、」

「もう帰ってください。もしくは逝ってください。」

「え。最後酷なこと言わなかったか。ふざけただけだよな。」

「いえ。本心です。」

「俺のせいか。ちょっと傷ついたぞ。」

「いきなり女々しいんですけど。何なんだあんたは。」



本格的にこの人の性格が面倒くさいです。



「俺を見捨てないでくれ。」


もう好きにしろよ。
この人誰か連れて逝って。



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