占い師の恋【完】
「まっきーと渚は仲良しさんだ。」
私とこいつが仲良しなら、多分私誰とだって仲良くなれると思う。
てか、こいついい加減腕離してくれないかな。
自分の方に引いた腕はまったく力が入っていなかったのかすぐに離れた。
「あ…?」
小さく唸るような低い声は無視無視。
絡んだら面倒くさいし。
「まっきー、占いお願いできる?」
「あ、はい。喜んで。」
私は棗ちゃんを向かいの席に座らせると、机の下に置いていた鞄から細長い箱を取り出す。
「何それ。」
ちょっと不思議そうに箱を指差す棗ちゃんに、ああと目を細めて笑う。
「タロットカードです。主に私はタロットで占います。あ、でも水晶でも占えますよ。どうします?」
「水晶だ水晶。何か面白そうだ!」
あんたに聞いてないよ。一応私は棗ちゃんに了承を求めると、あっさりOK。
「じゃあ、水晶玉をつかって占わせてもらいます…。」
そっと水晶玉に手をかざして目を閉じる。
嗚呼……………見えた。
くすり、と。
笑った私を二人が怪訝そうに見た。