占い師の恋【完】




では、と目を開けると棗ちゃんを見つめる。

「まずは何から聞きたい?」

「んーと…。じゃあ、仕事を。」


少し緊張したように、でも真っすぐ私を見つめ返す棗ちゃんに再び微笑。

「仕事運は上々ですよ。゙natariっていうお店と合併のお話゙があるはずなので。
上手くいけば日本だけでなく世界にチェーン店ができるかも。
棗ちゃんの゙デザインしている゙ペアアクセサリーもヒットするかなと。

あっ。でも゙デザイン画横取りされないように気をつけで。
普段から棗ちゃんを敵視してる人がいるみたいだから。」


そこまで言って、再び微笑んだ。

棗ちゃんの顔が強ばるのが分かる。


゙何で知ってるの?゙
って顔。そりゃあ…。

「占い師ですから、ね。」


そう言って笑った私に、その場の空気が緊張に包まれ棗ちゃんが゙全体運を゙と吐息混じりのお願い。

口元には笑みをつくったまま、手をかざす。


「…彼氏さんと上手くいってないんですね。昨日も喧嘩したばっかり。
棗ちゃんが思うように早く別れた方がいいと思う。

あ。でもずっと昔から棗ちゃんを見守ってきてる人がいるよ。早く気づいてあげて。

うーん…。゙中畑さん゙はダメだよ。浮気性みたいだから。」



< 112 / 402 >

この作品をシェア

pagetop