占い師の恋【完】
では、と目を開けると棗ちゃんを見つめる。
「まずは何から聞きたい?」
「んーと…。じゃあ、仕事を。」
少し緊張したように、でも真っすぐ私を見つめ返す棗ちゃんに再び微笑。
「仕事運は上々ですよ。゙natariっていうお店と合併のお話゙があるはずなので。
上手くいけば日本だけでなく世界にチェーン店ができるかも。
棗ちゃんの゙デザインしている゙ペアアクセサリーもヒットするかなと。
あっ。でも゙デザイン画横取りされないように気をつけで。
普段から棗ちゃんを敵視してる人がいるみたいだから。」
そこまで言って、再び微笑んだ。
棗ちゃんの顔が強ばるのが分かる。
゙何で知ってるの?゙
って顔。そりゃあ…。
「占い師ですから、ね。」
そう言って笑った私に、その場の空気が緊張に包まれ棗ちゃんが゙全体運を゙と吐息混じりのお願い。
口元には笑みをつくったまま、手をかざす。
「…彼氏さんと上手くいってないんですね。昨日も喧嘩したばっかり。
棗ちゃんが思うように早く別れた方がいいと思う。
あ。でもずっと昔から棗ちゃんを見守ってきてる人がいるよ。早く気づいてあげて。
うーん…。゙中畑さん゙はダメだよ。浮気性みたいだから。」