占い師の恋【完】
そう言うと、次は風見さんが片手で顔を覆い隠して乾いた声で笑った。
所詮、占いね…。
呟いた声はとても小さく弱々しい。
「まっき…、MAKI。
そっか……まっきーだったんだね。」
「棗ちゃん…?」
ふふふ、と笑った棗ちゃんは優しく私に笑顔を向けて
秘密だよ?って人差し指を口元に立ててウィンク。可愛いんですけど。
女の私が照れる位に。
「あっ君がね、気になる占い師がいるんだ、って。すごく面白い勝負ができるんだ、って言ってたの。
まっきーに初めて会ったときもしかしてって思ったけど。やっぱりまっきーだったんだね。」
「……。」
「何か色々混乱しちゃってるけど…。
タロットでお願いしなくてよかったかも。」
今度こそ本当に全部見られちゃう。
ちょっと困ったように笑って言う棗ちゃん。
「またいつでも。」
そう、私も笑って言葉を返した。