占い師の恋【完】
「極悪人。」
「…。」
「…、の顔だよ今。」
「ほっといてください。」
恥ずかしいからそう言うこと言わないで欲しい。
…そんなに顔に出てたのかな?私は直ぐに顔に出るタイプらしいから今度から気をつけなきゃ。
そんなことを考えていると、杉山さんが私にしか聞こえない位の声で話しかけてきた。
「茉希ちゃん、青とはどんな関係?」
「どんな……不思議な感じです。占い師とその占い師に勝負を挑んできた変態ってところじゃないですかね。」
こんな質問前にもされたなとか思う。あいつどんどん格下げされてんじゃん。
まあ、それをしているのは私だけど。でも気持ちの方はどんどん意味分かんない位に格上げですよ~ってね。
「おもろいな。てっきり付き合っ…、「わあ、お星様だ。」
「(遮った。)」
「(遮っちゃった。)」
しばらくの沈黙。私と杉山さんの間に重い空気が流れる。私の頬を撫でる蒸し暑い風が鬱陶しい。
やばいな、なんて思っているとその沈黙を先に破ったのは杉山さんで。
「茉希ちゃんって、青のこと好きなの?」
「…………、違います。」
「え。何今の間。」
「質問が聞こえませんでした。最近その手の話には耳が遠いもので。」
にやにやと腹立つ顔で笑いながら私を横目で見る杉山さんをキッと睨み上げるが、まったく効果ナシ。