占い師の恋【完】
「(寝た…?)」
「(寝た、な。)」
風見さんは呆れ顔で杉山さんの頭を軽く殴った。気持ちよさそうに眠るこの人はこれからどんな夢を見るのか。
いっそのこと、酒の波にでものまれてもう二度と呑まなければいいのに。
酔った杉山さんは面倒くさい。いや、酔っていない時も十分面倒くさいけど…。
取りあえずこの人の全てが面倒くさい。
小さく溜め息を吐くと、風見さんばおい゙と私を呼ぶ。何だそのえらっそうな声や態度は!と苛々はしたが、今は大人しく返事を返す。
「なんでしょーか。」
「お前、緑とはどんな関係?」
何か……、最近この手の質問多いよホント。じっと私を瞳に映す風見さんの目はいたって真剣。
この人は一体何なんだ。私が男と一緒だったらいけないのか。侵害な奴だ。
「関係も何も。バイトの先輩後輩ですよ。」
「あ?…ああ、そうだな。」
この人はこんな返事しかできないのだろうが。ふん、可哀想な奴だ。
俯いていた風見さんは私が鼻で笑ったことには気づいていないようで、そのまま言葉を続けた。
「青と緑は…って、もう知ってるか。」
「はい。そこに寝てるのがゲーム感覚で教えてきましたから。」
「(…ゲーム。)ならまあ、話は早い。」