占い師の恋【完】
風見さんは私に向きなると、瞳を細めた。一気に鋭くなる私に向けられる視線や私たち二人の周りだけ張り詰める空気。
それと一緒に一歩詰められたら距離。ほんの一歩で私を見下ろす位置が真上に近い。
なんだこいつ。足が長いの自慢してんのか。
やばい。風見さんに限ってマジ顔とかホント気持ち悪い。ていうか今詰められたこの距離が一番気持ち悪い。
「うわ…、」
「おい。うわってなんだうわって。」
「一時の拒否反応です。」
「テメ…、まあいい。今回は許してやる。」
(何様…?)
何回向けただろう、怪訝な顔で風見さんを見るが特に気にした様子もなく。
「あいつとは、あんま関わらない方がいいぜ。」
「…は?」
当たり前の反応だ。
突然、何を言い出すのかと思えば…、
「茉希の人生、ボロボロにされちまうぞ。」
「…、」
「中途半端であいつと関わんな。」
私が言葉を紡ぐよりも早く風見さんが眼光鋭く静かに忠告をしてくる。いや、むしろこの状態は脅しに近い。
いや、間違えた。
完璧なる脅しだ。