占い師の恋【完】
再びしばらくの睨み合いが続いたが、私よりも風見さんの方が一枚上手なのか大人なのか…。
自嘲的に笑うと小さく煙草の煙を吐き出しそれを地面に捨てると靴で踏み潰して火を消す。
「で…。何だ?」
「言いたくない…。」
「言えっつってんだろ。力に任せてもいいんだぞ?」
「意味、分から…」
「分からせてやろうか?あ?」
「結構です」と俯き気味に言うと「分かってんじゃねえか」とニヒルな笑みを浮かべて私を見る。
してやられた、と言うのか…。相も変わらず腹が立つな。
暴力男めと恨めしく睨みつけるが今の風見さんにはこれっぽっちも効果は得られない。っていうかこの人に睨みで勝るのは無理に等しい。
「別に誰かに言ったりしねえよ。約束する。」
「……(怪しい。)」
「怪しくねえぞ。本当だボケ。」
あんだとコラー!!!
今ボケって言ったのか!?
いい度胸だこの野郎。その口もぎ取ってお前と一緒に海に沈めてやる。かかってきやがれ、ほら、来いよっ!
鼻息荒く睨みつけていると、急に吹き出したかと思えば声を上げて笑い出した。