占い師の恋【完】
凶悪事件、何件も起こしてる常習犯の目だよコレ!!!
私もうじき殺されるんじゃないか!?
「……何か風見さんといると精神的にも肉体的にも疲れます。」
「うわあ~、変態。」
「別の意味で解釈するのヤメテ下さい。」
「茉希が肉体的とかやらしいこと言うからだろ。」
今度は下着泥棒常習犯の目だ。もう嫌、この人。
そろそろ私の身の危険さえも感じてきたとか思っていたとき、タイミングの悪い奴は現れるんだ。
「え…、茉希…と渚?」
混乱を含むが、暗闇に響く甘く脳を刺激する錯覚さえ覚える声。誰か、なんて…見なくても分かる。
その瞬間、パッと離れようとした私……だが。
風見さんはそんな私の後頭部を再び強く抱き寄せた。
何が、何だ。
風見さんを押し返そうと手に力を入れるが、次の瞬間には本格的に抱きしめられたら。
訳分かんなくなって、あたふたする私の姿は端から見れば滑稽だろう。
「渚。離せ。」
「あ?無理。゙中途半端゙には渡せねぇ。」
「……離せよ。」
今まで聞いたこともないくらい、青の声は低く響き辺りを包み込む。