占い師の恋【完】
杉山さんがいなくなった控え室はやけに静かになる。
ロッカーの鍵をバッグから取り出して開鍵し、中にかけてある服を取り出す。
黒いパーカーに黒い帽子を目元まで深く被り、準備は完了。
「さて、一勝負かな…」
――――゙MAKI゙
アルバイトの内容は、
占い師。
占いは、相手との勝負。
どこまで心を覗き見て、予想するか…、まあ私の場合は見えてしまうんだけど。
くつり、閑静な室内で一人笑みを深めた。
嗚呼…楽しみでしかない。