占い師の恋【完】
新発売のジュースと季節限定のスナック菓子を追加でカゴに入れレジへ向かう。
「いらっしゃいませー。」
間延びした中年女性の店員さんは面倒くさそうに会計を済ませたが、袋を手渡してくれた時は優しかった。
その優しさに何故か嬉しくなった私は「ありがとうございます」なんて普段は言わないことを言ってみたら
ちょっと一瞬吃驚したような顔をした店員さんも「またおこし下さい」と笑ってくれた。
最終的にはぽかぽかしたような気持ちになってコンビニを出ると、そのまま帰路を辿った。
「…、占い師、か。」
ポツリ、零した言葉は無情にも乾いた空に吐息と共に消えて。
私はの目からは意味がない雫が一筋流れて落ちていった。
《私は何のために、
占い続ける?》