占い師の恋【完】




吐き出された言葉はあまりに純粋で真っ直ぐで。ストレートに私の胸へ入り脳を擽る。


『俺は茉希の心も全部。貰うから。』

『覚悟してね。』



ブツ…プープープー…


無情にも切られた携帯からは機械音が響く。



終話ボタンを押し携帯をバッグにしまいアパートへと走る。階段を駆け上がり部屋の前に立つと鍵穴へ鍵を差し込む。

ドアノブを半ば強引に回して引っ張り少しの隙間から玄関に滑り込んでドアを閉める。


靴を脱いでリビングに入りダイニングテーブルにバッグを置いて数歩…。



足の力が抜けてその場にへなへなと崩れ落ちた。

ドキドキと暴れ出した心臓が苦しくて、全身に感じる熱が熱くて。青の言葉を思い出すとドキドキに押しつぶされそうで涙が出てくる。



(落ち着いてよ、私…!)


胸に手を当てて、真っ赤な顔で必死に深呼吸を繰り返す姿はあまりに滑稽だろう。

今私の頭を埋め尽くすのは青の顔と挑発的な声。
あの声が私の名前を呼ぶだけで実際死にそうな位ヤバいのに……。



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