占い師の恋【完】
突然自嘲的な空笑いを零しながら呟いた私を心配そうに覗き込む青。
違う、ちがう、チガウ
青は、チガウよ。
《青は違う?》
………何でハッキリそう言い切れる?
何が違うの。青は違うって何が。あれ、違う。
《私がチガウ。》
頭がズキズキと痛む。
アイツが、笑う。
“茉希。何でお前は生まれて来たんだろうな?”
“お前が居なけりゃ、俺はもっと楽しく生きていけてたんだよ。”
“いっそのこと……死んでくれ。”
頭に残るのは怒鳴り声と甲高い喚き声。何かが割れる音が毎晩、毎晩…。
その度に――…、
心が、割れる音がした。
“ごめんね”なんて言わないでよお母さん。
謝らないといけないのは私なんだから。
“生まれてきてごめんね。”
「笑わ、ないで…。」
「茉希?」
「私、が、違う…、いっそのこと…、」
「茉希。」
「゙死んでくれ゙。」
「茉希!」
――風見さんは言った。
私の背負うモノはそんな必要がないって。
一時。私もそう思った。思ってしまった。
けど。やっぱり私は違うんだよ。