占い師の恋【完】
パニックに陥る私を見て、それでも傍にいてくれると言っただろうか…。
絶対に面倒くさいのに。青は、傍にいてくれるの?
離れていかないのかな。
「信じてよ。」
そう言って。
困ったように笑うこの男を、少し。少しね。
信じてみようかなって
思ったんだ…。
《父の温もりは…もう忘 れた。》
それさえも感じたことがあるのかが疑問だ。
取りあえず今は。
この熱を離したくない。
―――――――――
「…落ち着いた?」
「ん。ごめん、」
「いーよ。珈琲呑もう。」
何分間こうしていたのかは分からない。ただ、私が泣き止むまで青はずっと抱き締めて背中をさすってくれていた。
――…それから、二人でソファに腰を降ろしてテレビを見ながら珈琲を呑んで。
時々、青の携帯が鳴り響いた。
ディスプレイを確認しておそらく杉山さんからの電話は直ぐに出てたし、普通だ。