占い師の恋【完】



けど。
ディスプレイを確認にしてから、小さく舌打ちして携帯を閉じてほっとくのが何度か。



「出ないの?」

「うん。明日行くから。」

「…そう。」



応えはまったく伝わりにくいものだったが、苛立ったような顔を全開にする青にそれ以上追求はできなかった。


前にも、こんな青の顔を見たことがあったな。



確か、デートとかいうやつをするため。青が私の家に押しかけて来た時だ。


着替えを済ませてリビングに戻ったら、携帯片手に怖い顔をしてたんだっけ。

まあ、それは私に気づくと一瞬で胡散臭い笑顔に戻ったけどね。



でも今は違う。

私の横で今も眉間に皺を作ってテレビを睨むように見ている。


ある意味。これは喜ばしいことの気がする。

人が横で機嫌悪くしてるのに喜ぶなんてあまりに失礼な気がするけど。



だって、私の前で
゙杉山青゙を見せてくれてる。


それが、何だか柄にもなく嬉しかった。




「今日は帰るね。」

「あ、ああ……うん。」


返事に詰まってしまった私を見て、ニヤリ。


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