占い師の恋【完】
「…、年上?」
と、言いましたか?この人今。
眉を寄せて見上げる私の顔を偉そうに見下ろしてハッ!と鼻で笑う。
「それがどうした。」
「…何歳?」
「27。」
「お…。」
「(お?)」
次の瞬間。
風見さんの顔を指差して私は叫んだ。
「オッサンじゃん!!」
…私の頭にきつい拳が振り下ろされたのは言うまでもない。
いや、でもこれは本当に吃驚だ。
てっきり青の友人みたいな感じで紹介されたから同い年かと思ってたし。
なんせ見た目が若い。
黙っとけば21歳でも十分に通用するし、現に私騙されてたし。
何か……。うん。
「…うっざ。」
「おい何キレてんだ。」
「詐欺師だ。ペテン師だ。今すぐ警察行け。」
「おーおー言うじゃねえかコラ。」
両者ともに引くことなく、しばらく無言で睨み合う。
そして両者ともに溜め息を吐き出して再び相手を罵り合い始めるのは、私と風見さんの間ではお決まりの光景である。