占い師の恋【完】
客に向かって失礼だろと私も怪訝な顔を隠さずに見れば。
「あ、はは…!すみません。何か面白くって。」
「おい。面白いんだとよお前の顔が。」
今この男を刺しても誰も文句は言わないだろう。
睨み上げると仕返しだと鼻で笑ってきやがった。勿論、波瑠と呼ばれた人の真意はまったく違うものなので直ぐに否定してきた。
「違いますよ!ただ、渚さんが女の子に意地悪してるの初めて見たんで。」
「おい波瑠…!」
……さすがに…、少し頬を赤らめてしまう。
だって。横にいる風見さんを見上げてみれば私と同様に顔を真っ赤にしているんだから。
「波瑠、さぼんな。」
「あ。おお悪い皐月。」
おい。おいおいおいおいおい…。
゙ここはイケメン美容院゙ですかって聞きたくなる。
波瑠さんに近づいてきた皐月と呼ばれた男の人も、波瑠さんも、まあ…一応風見さんも。
この美容院にいるひとは皆美形だと目を疑う。
波瑠さんは青ほどではないが綺麗な顔をしているし、皐月さんも同様だ。