占い師の恋【完】


――…その後は何故か皐月さんから飴玉を貰い、波瑠さんに宣伝モデルに猛烈なスカウトを受けたが。

丁重にお断りした。



風見さんは馬鹿にしたように笑いながら「やればいいのに」とか言ってるけど。


仕事上。そう簡単にはいかなかったりする。
゙もしも゙があれば非常にやっかいだ。

顔出しでやればよかったとかたまに思うけど、まあいっか。



「あ。バイト…。」

「ん?ああ、行って来い。」



最後まで偉っそうな風見さんだけど…、やっぱり凄いと見直した。

「またな」と言われて一応頭を下げれば、波瑠さんも手を振ってくれて。皐月さんも会釈を返してくれた。



そして。髪と一緒に軽くなった足取りで、私はバイトへと向かった。




 《人の人生なんて》
《ほんのちょっと歯車が   狂うだけで》


《簡単に狂い始める。》

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