占い師の恋【完】
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店長に挨拶に向かい、サッパリとした私の髪型に一瞬動きを止めた店長も。
べた褒めしてきて恥ずかしかったので足早に退散した。
受付役の女性先輩にも同じく絶賛されて、悪い気はしないがやはり恥ずかしさの方が上回る。
スタッフルームのドアを開ければ、目に入るサングラス。
「…こんにちは。」
「あ。茉希ちゃんこんにち…は、……え?」
サングラスの奥の瞳が見開かれる。しばらく止まる私とサングラス…またの名を杉山さんとの間の時間。
明らかに吃驚した顔を惜しげもなく広げる杉山さんに少し苦笑い。
「ど、どうしたの!?」
「…風見さんに……。どう、ですかね…。」
突然の私の変貌ぶりに困惑の目のまま私を見つめている杉山さんに、やっぱり変なのかと舌打ちしたくなった。
どうしてくれるんだ風見、と。この場にいない男に溜め息を吐けば。杉山さんの優しい声。