占い師の恋【完】
どんどん高くなる、私の体温。おそらくいや絶対に、私の顔は硬直してしまう。
「嘘ばっかり…!」
「何が?俺は思ったことを言ったまでだけど。」
「私、美人なんかじゃないし。」
「そう思うのは占い師さん、本人だからだよ。」
全然違う。
私を美人なんて言ったら、本当の美人に失礼だ。
こいつ…急に真面目な顔して言ってくるから、強く反論できない。
「俺、嘘言わないよ?」
微笑む男は、私が座る椅子と机を挟んで向かい側の椅子に腰をおろすと、表情を崩すことなくそう、言った。
「さぁ、始めようか。」