占い師の恋【完】
大嫌いになって、家族を崩壊させたアンタを今度こそ恨むことができる。
何があったとしても、お母さんを傷つけ続けたアンタを許そうなんて思わない。
許す許さないは私が決める事じゃないかもしれないけど。
許してしまえば、全てをもう受け入れていくことはできないと思うから。
占い師という仕事も、今関わっている人も、青も何もかも。
おかしくなる。
「茉希、ごめん。何年もたった今でもお前を苦しめて…。ごめん。」
「謝られたって…、もう何も戻って来ないじゃない…!今更よっ…、」
「…………ごめん。」
ボロボロと流れる雫は冷たくなった心とは比例することはなく、肌を温かく濡らしていく。
その心と身体の違いに舌打ちをしてしまう。
父に涙なんか見せたくなかった。そんなことしてしまったらまた面倒な娘じゃないか。
早く帰ればいいのに…、今までどこにいたのかも分からない。
そんな人の何を聞いて何を信じればいいのよ。馬鹿げてるわ。
「…私は、お父さんを許さない。帰ってよ…。」
「茉希…、」
「帰ってよ!!もう、私の前に現れないで!」
「茉希…っ!」