占い師の恋【完】


――――――――――

―――――――


「まっきー!」


私は一人、とぼとぼと帰路を辿っていた。

私の名前を呼ぶ甲高い声がした方へ振り返ると、天使みたいな笑顔を浮かべて私へ駆け寄る女の子。


「…棗ちゃん。」


私の元まで駆け寄ると、ふーっと息を整えるように吐き出し笑った。



「久しぶりだねっ!渚が言ってたけど、本当に髪切ったんだね~。

結構伸ばしてたのに。」

「うん。別に髪に執着なかったし。どうかな?」

「スッゴい可愛いよ!まっきーショート似合うね。」


ありがとう、と。
口端を上げてはみるが、きっと引きつっていて上手く笑えて…いるわけがないな。

いくら棗ちゃんでもこの変化には気づいたようで、少し心配そうに眉を寄せる。


「…どうしたの?何かあった?」

「ううん…。何もないよ。」

「嘘。」

「……。」



こういうことには鋭いらしい棗ちゃん。そっと私の右手をとると


「棗がまっきーに、コレをあげたのばあっ君の彼女゙だからじゃないよ。まっきーと友達になりたいから。」

「……。」

< 219 / 402 >

この作品をシェア

pagetop