占い師の恋【完】
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「まっきー!」
私は一人、とぼとぼと帰路を辿っていた。
私の名前を呼ぶ甲高い声がした方へ振り返ると、天使みたいな笑顔を浮かべて私へ駆け寄る女の子。
「…棗ちゃん。」
私の元まで駆け寄ると、ふーっと息を整えるように吐き出し笑った。
「久しぶりだねっ!渚が言ってたけど、本当に髪切ったんだね~。
結構伸ばしてたのに。」
「うん。別に髪に執着なかったし。どうかな?」
「スッゴい可愛いよ!まっきーショート似合うね。」
ありがとう、と。
口端を上げてはみるが、きっと引きつっていて上手く笑えて…いるわけがないな。
いくら棗ちゃんでもこの変化には気づいたようで、少し心配そうに眉を寄せる。
「…どうしたの?何かあった?」
「ううん…。何もないよ。」
「嘘。」
「……。」
こういうことには鋭いらしい棗ちゃん。そっと私の右手をとると
「棗がまっきーに、コレをあげたのばあっ君の彼女゙だからじゃないよ。まっきーと友達になりたいから。」
「……。」